STAFF COLUMN

有酸素運動ってなに?

2022.03.09

世の中にある動くものは何かしらの動力源が積まれているはず。車ならガソリン、おもちゃなら電池といったように。では、ヒトの身体はどのように動いているのでしょうか?人体には、大小含めて約600を超える筋肉が存在しており、これらを意識的に使うことで身体を動かすことができています。ヒトでいう動力源は筋肉ということになります。ただし、これは広義的なものにすぎません。筋肉を動かすためには莫大なエネルギーを必要とするからです。このエネルギーを人体で絶え間なく作り出すことで、私たちは身体を動かすことができているのです。では、このエネルギーはどこで産み出されているのでしょうか。

筋肉を動かすためのエネルギーとは

筋肉を収縮させるためのエネルギーを「アデノシン三リン酸(ATP)」といいます。ATPは食事によって体内に貯蔵された糖を分解する過程で産生され、それらをエネルギー源として身体を動かしています。しかし、体内に貯蔵されている量には限界があるため、それらだけで長時間身体を動かすことはできません。そこで、余剰分として蓄積された脂肪を分解してエネルギー源にする方法へシステムが切り替わります。脂肪は糖のように簡単に分解することができず大量の酸素を必要とするため、酸素を取り入れながらエネルギー源であるATPを産生するシステムを繰り返していきます。このことを私たちは有酸素運動と呼んでいます。有酸素運動を行うことで脂肪が燃焼される理由がこれですね。

有酸素運動の効果

有酸素運動を行うことにより様々な効果を得られることが多くの研究で報告されています。

○心肺機能、酸素摂取量の改善
・呼吸筋強化による酸素摂取効率の向上
・血液循環の改善
・骨格筋中の毛細血管の新生促進

○冠危険因子の抑制
 ・安静時血圧の低下
 ・血中LDLコレステロール/中性脂肪の減少及びHDLコレステロールの増加
 ・体脂肪の減少

○慢性疾患(冠動脈疾患、高血圧、大腸癌、2型糖尿病、骨粗鬆症など)の発症率低下

○不安や抑うつ感の軽減

○脳細胞増加による記憶機能の活性化

有酸素運動の例

○屋外で行われるもの
 ・ジョギング
 ・ウォーキング
 ・サイクリング
 ・ハイキング

○屋内で行われるもの
 ・エアロビクス
 ・エアロバイク
 ・太極拳
 ・水泳

有酸素運動を行う上でのポイント

運動強度が強い場合、脂肪よりも糖の燃焼比率が高まります。従って、脂肪を効率的に燃やすためには、運動強度が低く長時間続けられるものを選ぶのが良いでしょう(エネルギー源が体脂肪に切り替わるまでに20分ほどの時間を必要とするため)。また、運動の実施回数は週3~5日を目安に行うことが推奨されています(運動強度によって必要とする日数は異なる)。これらを参考に、皆さんも理想の身体を手に入れましょう!!